2024.9.26フランスKAOKA社
生産者からの全量買取を保証し、農家と共に有機農業を推進するカカオ栽培
会社紹介
1993年の創業以来、KAOKA社は地球環境と生産者に配慮しつつ、高品質でありながらも適正な価格のオーガニック・フェアトレードチョコレート作りに取り組んでいます。1988年に創業者が、トーゴでオーガニックのドライフルーツ普及のプログラムを立ち上げたことから始まりました。政治情勢の不安定さから、一度はビジネスが破綻に追い込まれましたが、1993年にはKAOKA社を設立し、オーガニック&フェアトレードのカカオ豆の生産を開始し、世界初の有機カカオの認証を取得しました。
各地の特徴に沿ったプログラムを展開して生産者と強い信頼関係を築き、現在は、彼の遺志を引継いだ彼の子息がKAOKA社の経営を担い、エクアドル、ペルー、コロンビアのカカオ農園において有機農業を推進しています。
©Agence Odds/KAOKA社
農地・栽培について
有機農業を推進する上での工夫として、樹木の剪定やプランテーションの維持管理を注意深く行っています。病気に強いカカオの木を特定するために、数年前から品種の選抜作業を行っており、これらの木を苗床で複製し、農家に配布することで病気に強い品種を増やす取組を行っています。また、病害の蔓延を抑えるため、アグロフォレストリー*1の考え方に基づき、育てる品種を多様にすることを生産者に奨励しています。生産者の圃場地図をデジタル化し、農家とともに農園の管理計画を策定していますが、2024年には全農家と森林保護協定を結ぶ予定です。
ペルーでは、土壌のpHを調整するためにドロマイト*2を使用し、有機物を増やすために被覆作物を植える工夫もしています。さらに、堆肥や微生物を自社生産し、農家に配布・散布することで、土壌環境をさらに改善する活動を推進しています。
また、FFEM(フランス地球環境基金)およびアグロフォレストリーや生態系を専門とする国際組織と官民プロジェクトを開始しました。897万ユーロの予算を伴うプロジェクトで、エクアドル、コロンビア、ペルーにおいて、森林破壊を伴わない持続可能なカカオ栽培を実現するために協力体制を築いています。
*1 アグロフォレストリー:農園で栽培する樹種を多様化すること
*2 ドロマイト:カルシウムとマグネシウムを含み、サプリメントなどにも使われる天然の成分
©Agence Odds/KAOKA社
工場・加工について
KAOKA社のチョコレートはIFS認証工場で作られています。パートナーである生産者から新鮮なカカオを購入し、8時間以内に発酵することで、品質を保った状態で初期加工を行います。この時間を超えると酸化がはじまり、風味が損なわれる可能性があるため、培ってきた専門知識を活かし、日々工夫しています。その後、太陽のもとで2~3週間乾燥します。水分がすべて蒸発するよう、注意深く定期的にかき混ぜます。
技術チームによる品質の評価を通じて、収集した情報やアロマの特徴に応じてバッチを組み合わせ、すべてのカカオマスを製造します。
©Agence Odds/KAOKA社
社会への取り組みについて
サントメ島は、1975年のポルトガル植民地からの独立を経て、カカオ栽培が徐々に衰退していました。KAOKA社が指揮をとり、農家への技術指導などを行い、2005年67トンだった収穫量が現在では1000トンを超え、カカオ栽培に従事する2200人の農家はサントメ島の人口の15%に上ります。今や、国家の経済にとっても非常に大きな役割を果たしています。収穫したカカオ豆の100%をKAOKA社が買い取る約束をすることで、生産者も安心して農業に向き合うことができます。成果物に対する価値を公正に見極め、対価を支払うフェアトレードの推進によって、農家の収入源を確保し、支援することが可能になります。さらに、農家と直接決めた市場価格よりも高い価格での買い取りを通じて、持続可能な農業を支えています。
©Agence Odds/KAOKA社
KAOKA社の推しポイント
KAOKA社は、世界初の有機カカオ認証を取得したパイオニアで30年以上にわたり有機カカオとフェアトレードに取り組んできました。私たちは2012年からKAOKA社の有機JAS認定のオーガニックチョコレートを取り扱い、その品質とエシカルな取り組みに感銘を受けています。お客様からも「カカオの香りが良く、そのまま食べても美味しい」と絶賛されています。また、フェアトレードを通じてカカオの産地に新たな産業を生み出し、持続可能な未来を築いている点もKAOKA社の大きな魅力です。(輸入担当者)